生産者の紹介
シャトー・ぺトリュス/Chateau Petrus
シャトー・ペトリュスのラベルに描かれた聖ペテロは天国へのカギを持つ聖人であるが、まさしく天にも昇るような感動を飲む人に与えるワインである。たった11.4ヘクタールの畑から生まれる毎年4500ケースに満たない生産量のワインは、1ヘクタール当たり100億円以上の価値をもつといわれる。
シャトー・ペトリュスはボルドー右岸、ポムロールに位置する。ポムロールは世界最高のメルロ品種のワインが生まれるとされているが、その評価を牽引してきたのがペトリュスである。ポムロールは表土の砂利の下に一貫して水分の多い粘土が存在し、カベルネ・ソーヴィニヨンと対照的に渇水に弱いメルロに非常に適している。その中でもペトリュスのテロワールは特別で、表土に砂がほとんどなく、スメクタイトという60から80センチにも及ぶ黒い膨張性粘土が表出している。この膨張性粘土は水分を一定以上多く含むとブドウの根を圧死させるほど膨張するため、適度な水分量を保ち凝縮した味わいになる。さらにそのスメクタイトの下にはクラス・ド・フェール(鉄の垢)と呼ばれる酸化鉄の混じった硬い粘土が存在し、これがワインにさらなる厚みとペトリュス特有の妖艶な香りをもたらす。これらの非常に特殊な条件が、ペトリュスを「神話の象徴」と評されるほどの存在に高めている。
ポムロールは古代ローマ時代からワインの生産地であり、中世に入ってもサンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼者を接待するワインを生産する歴史ある地域であったが、百年戦争後は荒廃し決して銘醸地とはいえなかった。しかし1878年、無名であったシャトー・ペトリュスがパリの博覧会で金賞を獲ったことで、その評価は一転する。
ペトリュスの黄金時代は1945年に始まる。その年に完全な所有者となったマダム・ルバが決して安売りをせず、その希少性も相まってさらに価値を高めていく。彼女は1956年の大冷害の際には他のシャトーのように植え替えをせず、生き残った古樹に若い株を接木する判断をしたことで、複雑で凝縮したワインの特徴を維持した。さらに1945年から販売を担い、マダム・ルバの死後は運営を担ったジャン・ピエール・ムエックスは、優秀な栽培家や醸造家を雇ったり、その巧みな販売戦略で希少価値を高めたりしただけでなく、ニューヨーク屈指のフレンチレストラン、ル・パヴィヨンにとっておきのワインとして提供させることに成功した。この店の常連であったロックフェラーやケネディなどの名士たちに愛されることで、シャトー・ペトリュスはステイタスシンボルへと変貌していった。
ジャン・ピエールの死後息子たちに引き継がれたシャトー・ペトリュスは1969年に隣接するシャトー・ガザンの畑を買い取り拡張したものの、たった11.4ヘクタールという非常に小さい土地から最高の品質のワインを生産し続けている。その小さな畑にもかかわらず収穫には180人もの人手を擁し、2,3日ほどの乾燥した晴天の日に手作業で一気に収穫してしまう。コンクリートタンクでの2,3週間に及ぶ醸造の後、約2年もの間樽熟成させている。畑には5%のカベルネ・フランが植えられているが、基本的には100%に近い比率で、最高のテロワールから育てられるメルロが用いられる。平均樹齢は45年ほどだが、前述のとおり古い株が一部残っていることで、凝縮感はさらに高まる。さらにこの小さい区画を細分化し、ブラインドテイスティングでの審査によって一部の質が劣る区画はワインづくりには用いられないという徹底ぶりである。これらの製法は維持され、いつの時代も飲む者を天へと誘う存在であり続けている。
みんなのワインレビュー
シャトー・ペトリュス ポムロール 1992年
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