ブノワ・ライエ ブラン・ド・ノワール N.V.(デゴルジュ: 2024年)
モンターニュ・ド・ランスの南向き斜面、ピノ・ノワールの聖地として名高いブジー村。この地で馬と共に畑を耕し、土壌の生命力を一滴の液体に凝縮させる造り手がベノワ・ライエです。彼は2000年代初頭からビオディナミを実践し、今やシャンパーニュの次代を担う先駆者として、世界中の愛好家から畏敬の念を持って迎えられています。
一般的にブジーのピノ・ノワールといえば、その力強く重厚な骨格が語られがちですが、ライエの手にかかれば、それは驚くほど緻密でエネルギーに満ちた表現へと昇華されます。ノン・ヴィンテージでありながら、リザーブワインがもたらす深みと、近年の完熟したブドウが見事に調和し、単なる「重み」ではない「層の厚さ」を感じさせてくれるはずです。
グラスからは赤リンゴのコンポートやドライイチジクの凝縮した香りが立ち上がり、次第にナッツのような香ばしさが重なることでしょう。口に含めば、精緻な酸が力強い果実味を支え、余韻には土壌由来の塩味を伴う旨味が長く持続するはずです。
温度は10-12℃。グラスは膨らみのあるブルゴーニュ型が適しています。鴨のローストにベリーのソースを添えた一皿や、熟成したコンテチーズが、このワインの持つ品格をより一層引き立ててくれるでしょう。
単一ヴィンテージの個性も魅力的ですが、複数の年を重ねることで生まれるこの安定した調和こそ、今選ぶべき贅沢と言えるかもしれません。画一的な評価を超え、テロワールの真実を写し取ったこの一本は、真に価値あるシャンパーニュを求める方の感性を深く満たしてくれるはずです。
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